学生モータースポーツ・ガイド

学生モータースポーツ入門:大学自動車部の競技と全日本学生選手権

学生モータースポーツは、大学の自動車部が中心になって行う自動車競技です。自動車部は全日本学生自動車連盟に加盟し、毎年ジムカーナ、ダートトライアル、フィギュア(運転競技)の全日本学生選手権と、その合計点で争う年間総合杯を目指します。

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ジムカーナのコース例(イメージ、縮尺なし):スタートからパイロンの間を縫うスラローム、パイロンを1周する360度ターン、ゲートを抜けてゴールへスタートスラローム360°ターンゲートゴール
このページの内容
  1. 全日本学生選手権の3競技
  2. 1年の流れ:支部の予選から全日本、そして年間総合杯へ
  3. 年間総合杯(全日総合杯)の仕組み
  4. 1952年から続く学生自動車連盟の歴史
  5. 自動車部と連盟への加盟
  6. エコランとエコドライブの大会
  7. 大会の公式情報はどこで確認するか
  8. よくある質問

全日本学生選手権の3競技

全日本学生自動車連盟が主催する全日本学生選手権は、いまジムカーナ、ダートトライアル、自動車運転競技(通称フィギュア)の3競技で行われています。どれも決められたコースを1台ずつ走り、タイムに反則の加算を足した記録で順位が決まります。何台もが同時に走って抜き合うレースとは違い、自分のタイムと正確さだけが問われます。

全日本学生選手権の3競技と2026年度の大会(日程と会場は連盟公式サイトの競技日程による)
競技路面とコース競うもの2026年度の全日本大会
ジムカーナ舗装路にパイロンを並べたコース1周1分前後のタイム。パイロンに触れると加算8月29日・30日、鈴鹿サーキット国際南コース
ダートトライアル未舗装(ダート)のコース1周2分弱のタイム8月8日・9日、モーターランド野沢
自動車運転競技(フィギュア)教習所の実技コースより狭い線のコース線に触れず正確に、速く。接触や脱輪は加算11月3日、鈴鹿サーキット

ジムカーナ:パイロンの間を抜けるタイムアタック

ジムカーナは、舗装路に並べたパイロンの間をS字や360度ターンで抜けていくタイムトライアルです。連盟の旧公式サイト(2007年)は、通常は1周1分前後のコースを2回走り、速い方のタイムで順位を決めると説明していました。全日本学生ジムカーナ選手権は毎年8月に鈴鹿サーキットの南コースで開かれ、2022年の大会には各支部の予選を勝ち抜いた34校の自動車部が出場しました。この年の報道によると、団体の部は男子3名、女子2名のタイムの合計で争われ、パイロンに触れると5秒が加算されました。詳しくは学生ジムカーナのページへ。

ダートトライアル:未舗装路を滑らせて走る

ダートトライアルは、未舗装の路面に作られたコースを1台ずつ走り、タイムを競う競技です。旧公式サイトの説明では、1周2分弱のコースを2回走って速い方のタイムを採ります。滑りやすい路面で車をスライドさせながらコーナーを抜けるため、舗装路の競技とは技術も迫力もまったく異なります。会場は年によって変わり、2007年の旧公式サイトは丸和オートランド那須(栃木県)とテクニックステージタカタ(広島県)を交互に使ってきたと書いていますが、同じ年の大会は三井オートスポーツランドで開かれました。2026年度の会場はモーターランド野沢です。会場の移り変わりと歴代優勝校は学生ダートトライアルのページにまとめました。

フィギュア:学生連盟だけの運転競技

自動車運転競技、通称フィギュアは、一般のモータースポーツにはない学生自動車連盟独自の競技で、連盟の大会では最も歴史があります。教習所や運転試験場の実技コースをさらに狭くしたコースを路面に紐やテープで描き、決められた確認ポイントに車を動かしながらゴールを目指します。線にタイヤが触れたり脱輪したりするとタイムが加算されるため、車の四隅の位置を正確につかむ車両感覚と素早いハンドル操作が勝負を分けます。2007年当時は、主に1500cc以下の小型乗用車の部と、最大積載量2トンの小型貨物車の部の2種類で行われていました。種目と車の詳細は自動車運転競技のページへ。

1年の流れ:支部の予選から全日本、そして年間総合杯へ

自動車部の1年は、大学がある地区の支部大会から始まります。関東支部の旧サイトは、支部の競技会を基本的に全日本学生選手権の地区予選と位置づけていました。全日本大会は夏にダートトライアルとジムカーナ、秋に運転競技が行われ、3大会の結果から年間総合杯が決まります。

2026年度の全日本学生選手権:8月8日・9日 全日本学生ダートトライアル選手権大会(モーターランド野沢)、8月29日・30日 全日本学生ジムカーナ選手権大会(鈴鹿サーキット国際南コース)、11月3日 全日本学生自動車運転競技選手権大会(鈴鹿サーキット)。3大会の順位点を合計して年間総合杯が決まる4月5月6月7月8月9月10月11月12月8月8日・9日 ダートトライアルモーターランド野沢8月29日・30日 ジムカーナ鈴鹿サーキット国際南コース11月3日 フィギュア鈴鹿サーキット年間総合杯3大会(G・D・F)の順位点の合計で決まる
2026年度の全日本学生選手権の日程と会場。出典:全日本学生自動車連盟公式サイト「競技日程」(2026年10月閲覧)

年間総合杯(全日総合杯)の仕組み

全日本学生自動車連盟は1966年(昭和41年)から年間総合表彰制度を続けています。男子団体、女子団体、男子個人、女子個人の4部門があり、団体部門で1位になった大学には全日本学生自動車連盟年間総合杯、略して全日総合杯が贈られます。発足当初は運転競技と整備技術の2種目の合計でしたが、現在はフィギュア、ジムカーナ、ダートトライアルの3大会で得た順位を点数にし、その合計で競います。

2024年度(2024年11月19日発表)の男子団体は、慶應義塾大学(265点)、早稲田大学(260点)、立命館大学(190点)の順でした。2位の早稲田大学はダートトライアルで100点を取りましたが、ジムカーナとフィギュアの両方で100点を取った慶應義塾大学が5点差で上回りました。1大会だけ強くても届かず、3競技すべてで点を重ねることが総合杯への近道です。点数の決まりと1996年度からの優勝校は全日総合杯のページで解説しています。

2024年度 年間総合表彰 男子団体の上位6校の得点内訳:慶應義塾大学 ジムカーナ100・ダートトライアル65・フィギュア100、合計265点。早稲田大学 ジムカーナ80・ダートトライアル100・フィギュア80、合計260点。立命館大学 ジムカーナ50・ダートトライアル70・フィギュア70、合計190点。明治大学 ジムカーナ44・ダートトライアル100・フィギュア41、合計185点。中央大学 ジムカーナ38・ダートトライアル80・フィギュア65、合計183点。広島大学 ジムカーナ32・ダートトライアル80・フィギュア35、合計147点慶應義塾265早稲田260立命館190明治185中央183広島147ジムカーナダートトライアルフィギュア
2024年度 年間総合表彰の男子団体上位6校の得点内訳。出典:全日本学生自動車連盟「2024年度 全日本学生自動車連盟 年間総合表彰」(2024年11月19日)
2024年度 年間総合表彰の団体上位3校(合計点)
順位男子団体女子団体
1位慶應義塾大学(265点)慶應義塾大学(280点)
2位早稲田大学(260点)中央大学(260点)
3位立命館大学(190点)関西学院大学(184点)

1952年から続く学生自動車連盟の歴史

全日本学生自動車連盟は、昭和初期に各地で結成された学生自動車連盟をまとめる形で、1952年(昭和27年)に13大学の加盟で発足しました。創立時の加盟校は青山学院大学、慶應義塾大学、専修大学、中央大学、日本大学、法政大学、明治大学、立教大学、早稲田大学、同志社大学、神戸大学、神戸商科大学、東京工業大学です。発足の年に第1回の全日本学生自動車運転競技大会と、東京―大阪間の耐久レースが開かれました。全体の年表は連盟の歴史にあります。

連盟の主なあゆみ(連盟公式サイトの「歴史」、旧公式サイト、2006年の環境省発表資料による)
年できごと
1952年(昭和27年)13大学の加盟で全日本学生自動車連盟が発足。第1回全日本学生自動車運転競技大会、第1回全日本学生東京―大阪間耐久レース
1955年(昭和30年)第1回全日本学生自動車燃料経済競争
1960年(昭和35年)西日本学生自動車連盟を吸収し、九州支部として発足
1961年(昭和36年)連盟創立10周年記念の全日本一周学生ラリー。中部支部を創設
1964年(昭和39年)全日本学生自動車整備技術選手権大会、第1回全日本学生サーキットラリー選手権大会
1966年(昭和41年)年間総合表彰制度(全日総合杯)を開始
1984年(昭和59年)全日本学生ダートトライアル選手権を開催
1987年(昭和62年)全日本学生ジムカーナ選手権を開催
2006年(平成18年)第1回全日本学生対抗チーム・マイナス6%エコドライビングコンテスト(8月21日、鈴鹿サーキット)
2013年(平成25年)全日本エコドライブチャンピオンシップを開催

自動車部と連盟への加盟

連盟に加盟できるのは1大学につき1団体です。新しく加わる自動車部は、まず大学の所在地を受け持つ支部の選手権大会に1回以上出場して準加盟校となり、1年以上たってから本加盟が認められると、全日本選手権に出場できるようになります。加盟校の数は、2006年の環境省の発表資料と2007年の旧公式サイトでは全国121大学、2011年の旧公式サイトのあいさつ文では100校とされていました。加盟の流れと支部は自動車部と加盟で詳しく紹介しています。

  • 関東支部:加盟校が最も多い支部で、2016年に保存された旧支部サイトでは38校。支部独自の軽自動車6時間耐久レースも開いてきました。
  • 中部支部:1961年(昭和36年)に創設。
  • 関西支部:大阪府茨木市に連絡先があり、情報はFacebookページで発信しています。
  • 中四国支部:中国・四国地方の自動車部が所属します。
  • 九州支部:1960年(昭和35年)、西日本学生自動車連盟を吸収して発足。

自動車部の活動は競技だけではありません。旧公式サイトのあいさつ文は、加盟各校が交通法規の遵守と啓発、運転技術と整備技術の向上に取り組み、日本赤十字社に協力した献血や災害救助、交通遺児のためのあしなが街頭募金などの社会奉仕にも参加してきたと紹介していました。

エコランとエコドライブの大会

燃費を競う競技も、連盟の長い伝統の一つです。1955年には第1回全日本学生自動車燃料経済競争が開かれ、2007年の旧公式サイトは、1リットルのガソリンで何キロ走れるかを競うエコノミー・ラン(エコラン)を競技の一つに挙げていました。

2006年8月21日には、鈴鹿サーキットで第1回全日本学生対抗チーム・マイナス6%エコドライビングコンテストが開かれました。環境省の発表資料によると、警察庁、経済産業省、国土交通省、環境省が後援し、各チームは最大6名で3車種、3スティントを走りました。走行中は窓を閉めてエアコンを入れるなど同じ条件がそろえられ、決められた区間を基準タイム内で走った順位と、燃料消費の少なさの合計で順位が決まりました。第2回は2007年8月27日に同じ鈴鹿サーキットで開かれています。なお、2026年度の競技日程にエコドライブの大会は載っていません。大会の方式はエコランとエコドライブの大会で詳しく紹介しています。

大会の公式情報はどこで確認するか

このガイドは独立したサイトで、大会の申し込みや結果の発表は行っていません。日程、規則、結果の最新情報は、連盟と各支部の公式サイトで確認してください。会場の所在地は会場ガイドにまとめました。

よくある質問

ajsaa.com は全日本学生自動車連盟の公式サイトですか?

いいえ。ajsaa.com は2019年ごろまで連盟の旧公式サイトでしたが、その後ドメインの持ち主が変わりました。いまの学生モータースポーツ・ガイドは連盟とは無関係の独立したサイトです。連盟の公式サイトは ajsaa-alljapan.org です。

全日本学生ジムカーナ選手権はどこで開かれますか?

毎年8月に鈴鹿サーキットの南コースで開かれています。2026年度は8月29日・30日、鈴鹿サーキット国際南コースの日程です。

フィギュアとはどんな競技ですか?

正式には自動車運転競技といい、教習所の実技コースより狭い、線で描いたコースを、線に触れず脱輪せずにできるだけ速く走る競技です。連盟が1952年の発足時から続けている、最も歴史のある種目です。

年間総合杯はどうやって決まりますか?

フィギュア、ジムカーナ、ダートトライアルの3つの全日本大会での順位を点数にし、その合計で順位を決めます。団体部門で1位になった大学に全日総合杯が贈られます。

学生モータースポーツ・ガイドは独立した情報サイトです。全日本学生自動車連盟(AJSAA)やその支部、加盟大学の自動車部とは関係がなく、その公式サイトでもありません。このドメインの以前の所有者とも無関係です。大会の公式情報は連盟の公式サイト(ajsaa-alljapan.org)でご確認ください。